『追跡!A to Z(NHK 2009年11月28日放送)』のテーマは『安売り競争は何をもたらすのか』だった。
PB商品を巡る各社の動きを取材したもの。
トライアルカンパニーの場合
コーラ 15円、Yシャツ 299円などPB商品を販売している。
売上の10%がPB商品だとか。
どうして価格が下げられるかと言うと、人件費削減が大きそうだった。
・点かなくなった蛍光灯は、1本1本替えるのではなく、まとまってから替える
・警備スタッフなし
・損益計算書の分析は中国で
どれも凄まじい施策だと思ったのだけれど、一番驚いたのが3番目の分析業務を中国でやっているという点。
ドンキホーテの場合
PB商品開発の流れは、
・消費者の声をリサーチし、開発商品を決める
・その商品の市場最低価格を調査し、それより下の価格設定をする
・取引先のつてなどで工場の稼働率が落ちている製造メーカーを探す(製造メーカー側としては、利幅は少ないけれど、取引量が多いので魅力)
・価格以外にPRポイントを作るため、プラスαの要望を出す(市場最低価格を下回りつつも、内容量は多いなど)
コスト削減は、「小売」「物流」「製造」のうち、「製造」コストを分解。
「メーカー利益」「包装・パッケージ」「原材料」の中から、「包装・パッケージ」を外注から自社で行うようにするなどしてコスト削減をしていく。
乾めんメーカーの場合
小売のPB開発に対応するために、借金して設備投資。
機械化による人員削減や賃金カットによって、低価格商品を作った。
しばらくして小売がPB商品を値下げ。
その分をメーカーに要求。
メーカーは販売促進費として値下げ分の額を支払うはめになり、赤字に。
小売に逆らえないメーカーは多いのだと思う。
このケースも設備投資してしまっているので、発注がなくなると困ってしまうという背景があり、言いなりになるしかないのだろう。
小売側が責任をとらないのだとすると、製造メーカーはPB商品開発に慎重にならないと業績悪化にトドメを刺すことになりかねないと思った。
ソースメーカーの場合
このメーカーも乾めんメーカー同様、PB商品開発に取り組んだのだけれど、問題に気づきPB商品から撤退をした。
もともとの強みは、豊富な品揃えで、大学いものソース、パスタソース、麺つゆなどそれぞれは小さい市場だけれど、高シェアをとっていた。
それがPB商品開発により、製造ラインがPB商品にとられ、強みの品揃えは半分近くにまでなった。
PB商品の取引は大量なので、営業もそこにばかり力を入れた結果、営業力も落ちてしまった。
そこに、乾めんメーカーの例のように、小売の値下げによる販売促進費の請求が来るようになり、PB商品をずっとは続けられないと悟り撤退を決めた。
たしかに消費者のニーズに一番詳しいのは小売で、価格設定に小売のノウハウは不可欠だ。
ただ製造メーカーを言いなりにするような関係では品質は保てない。価格で折り合わなかったり、商品の品質が問題になれば、メーカーを変えればいいだけ、と小売が思っているのだとしたら、日本の『ものづくり』力はどんどん落ちていく。
世界規模で考えると、日本が低価格で勝負しようとしても、高品質が伴わないのであれば、勝ち目がないのだから、『ものづくり』力をこうした形で損なっていくのは危険。
小売側も責任をとって、メーカーと良好な関係が築けるようにならないといけないだろうし、ソースメーカーのケースのような『気づき』や、自立(インターネット販売に注力するなど)も必要だと思う。








